ふるさと納税 活況も見直し

09-17 admin

中高一貫校に通うはるとさん、ひなたさんの会話から、ふるさと納税について学びましょう。

はると 全国のふるさと納税の金額(寄付総額)が令和5年度分で初めて1兆円を超えたというニュースをみたよ。寄付のお礼にもらえる品物が充実していて、手続きを仲介するサイトも複数あるね。

ひなた 寄付額に応じて税金の一部が引かれ、返礼品ももらえるのよね。物価高による節約志向の強まりが人気の理由みたい。寄付の使い道を選べるのも、ほかの税金と違うところね。

はると 「納税」といっても、応援したい市区町村に寄付をする制度で、寄付先は自由に選べるんだよね。都市部に比べて地方の自治体に寄付が集中する傾向があると聞いたよ。

ひなた 寄付額上位の宮崎県や北海道の自治体は肉や海産物といった返礼品が人気ね。都市部の住民が地方に寄付し住民税などが引かれる構図で、直近の住民税の減額分(流出額)は横浜市で300億円以上に及ぶのよ。

はると 返礼品は過去に、寄付をより多く集めようとした自治体がアマゾンギフト券や家電製品など高額の金品を用意して問題になった。過度な競争にならないよう国が規制しているよね。

ひなた 国は、返礼品の用意にかかる費用(調達費)を寄付額の3割以下とするなどの基準を設けているわ。最近は仲介サイトを利用した寄付者へのポイント付与を巡る競争が過熱していて、ルールが変わるのよ。

はると 寄付が増えるのはいいことだと思う。実際、どういったことに使われているかが気になるな。制度に参加している自治体の9割超で寄付の使い道が選べるんだね。

ひなた 分野別では「子ども・子育て」への寄付額が1511億円と最多で、「教育・人づくり」(804億円)や「地域・産業振興」(786億円)が続くの。地方創生の財源として長く続く制度にしてもらいたいわね。

何のための寄付か再考を

平成20年の開始から15年以上がたったふるさと納税は寄付総額が1兆円を超え、国民の間に定着しました。一方、これまで返礼品や、仲介サイトを通じたポイントの付与を巡り競争が過熱し、ルールの見直しが相次いでいます。

制度の根底には、応援したい自治体への寄付によって、利用者自身が税金の使い道を決めるとの理念があります。寄付額に比べ高額な返礼品や過剰なポイントは、それ目当ての寄付を誘発し「利用者の自主的選択を阻害しかねず、制度の趣旨に反する」(総務省担当者)というわけです。

例えば被災自治体の支援では、返礼品なしの純粋な寄付もできます。制度の趣旨に沿って地方の活性化につなげるには、何のための寄付か、利用者も改めて考える必要があるでしょう。

ふるさと納税って? 都市部と地方の税収格差を是正する目的で平成20年に始まった制度。寄付額から2千円を引いた分が所得税と住民税から減額されるが、税収が流出した自治体には、減収分の75%が国からの地方交付税で補われる。

国による規制って? 国は返礼品の基準を①調達費は寄付額の3割以下②自治体内で製造・加工した「地場産品」に限定-としたが、産地偽装などが相次ぐ。令和7年10月からは、買い物などに使えるポイントを付与する仲介サイトでの寄付の募集を禁止する。

週刊学ぼう産経新聞
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