高校生の妊娠、誰にも目を背けてほしくない 「あの子の子ども」細田佳央太

09-10 admin

「あの子の子ども」に出演中の細田佳央太

「あの子の子ども」フジテレビ系 火曜午後11時

「『細田佳央太の出演作の中で一番良かった』って言ってもらいたい。俺の代表作にするつもりです」

避妊に失敗した高校2年生のカップル、川上福(桜田ひより)と月島宝(細田)が、妊娠という予想外の出来事を前にどうすべきかを必死に考え、葛藤する姿を描く。原作は令和5年度の第47回講談社漫画賞・少女部門を受賞した蒼井まもる氏の同名漫画。初めて手にし、今まで読まなかったことを後悔したという。

「本来、知っておくべきことだけれど、学校は避妊するところまでしか教えない。原作では妊娠後の現実、福と宝の心情が細かく丁寧に描かれていて、そこを引き継ぐことを意識しています」

福、宝、福の両親である慶(野間口徹)と晴美(石田ひかり)、宝の母の直実(美村里江)ら家族が、それぞれの経験や考えの下、「高校生の妊娠」と向き合い、中絶か出産か、出産の場合、福と宝が育てるのか、特別養子縁組をするのか、里親制度を利用するのか、どれが現実的なのかと模索する。

川上福(桜田ひより)が妊娠を学校に報告する一方で、月島宝は仲間たちに黙って陸上部の退部届を提出する

「あくまでも福と宝の物語ですが、それぞれの親たちの視点も描かれている。それがこの作品の魅力。誰にも目を背けてほしくない。高校生たちがドラマを通して初めて、または改めて知ったことを、家族と話し合える環境になったら」と願い、「実際に妊娠という現実に直面した高校生たちに、『こういう選択もあるんだよ』『無理しないで』と、救ってあげられるような作品になればいいなと思っています」と真剣な面持ちで語る。最終回は17日。福と宝はどのような決断をするのか。「皆さんの心に刺さったら、うれしいです」と笑みをこぼす。

平成26年に俳優デビュー。令和元年公開の映画「町田くんの世界」で、「第29回日本映画批評家大賞・新人男優賞(南俊子賞)」を受賞するなど順風満帆な俳優生活を送っている。だが、おごらず、「特にこの5、6年、素晴らしい作品と出合い、感謝しています。同時に、こんなお芝居でいいのだろうかと思う瞬間が何度もあって。お芝居で感謝の気持ちを示さなくては、もっと結果を出さなくてはと思います」と自身を鼓舞する。

現在22歳。ドラマに映画に舞台にと、俳優たちが群雄割拠する年代だ。

「18歳から25歳までは、ふるいにかけられる年齢だと勝手に思っていて。芸能界を去る人もいるけれど、入ってくる人も多くいる。3年後も続けていることが目標。もちろん、死ぬまで俳優でいたいです」

穏やかな表情。だが、芝居への熱量があふれている。

細田佳央太

ほそだ・かなた 平成13年、東京都出身。26年、俳優デビュー。ドラマ「ドラゴン桜」(TBSテレビ系)、「もしも、イケメンだけの高校があったら」(テレビ朝日系)、NHK大河ドラマ「どうする家康」などに出演。

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