視覚障害者の葛藤を知って 文化放送の当事者プロデューサーが特番制作、23日放送

09-17 admin

文化放送の「知っていますか?ロービジョン~0と1の間」に出演するサヘル・ローズさん(左)と白石仁司プロデューサー

文化放送は23日午前11時から、視覚に障害を持つ人への理解を促す特別番組「知っていますか?ロービジョン~0と1の間」第5弾を放送する。自身も視覚障害者である白石仁司プロデューサー(57)が企画し、タレントのサヘル・ローズさんとともに、「移動」をテーマにアプリを使った最新のサポートシステムなどを紹介する。

ロービジョンは弱視とも呼ばれ、メガネで矯正しても日常生活に支障がある状態を指す。白石さんは緑内障が進行し、3年前に視力をほぼ失った。外出時は白杖を使うが、全盲ではないため、慣れた場所での移動や自動販売機での購入などは可能だ。しかし、「会社の廊下ですれ違ってあいさつされても誰か分からない。相手には見えていないことが伝わらない。自分がこの立場になって、困っている人がいることに初めて気が付いた」という。

視覚障害者のさまざまな葛藤を知ってもらおうと、令和4年9月に第1弾を放送。番組名について白石さんは、「全盲を0、健常者を1とすれば、その間にいろいろな見え方の人がいることを皆で考えたい」と思い名付けた。出演者にサヘルさんを選んだのは「障害による不便も時には笑えるような、気心の知れた優しい人」だからだ。

第5弾となる今回は、視覚障害者をサポートするアプリを利用し、白石さんが実際に焼き肉店まで出かける様子をリポートした。サヘルさんは「外出は全ての基本なのに、点字ブロックがふさがれていたり、歩きスマホをする人がいたりで移動を恐れてしまう人もいる。番組が外に出る契機になってほしいし、健常者が声をかけるきっかけにもしてほしい」と話す。(大森貴弘)

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