計画のない旅

05-02 清明 祐子

「今日の宿見つかったで!良かったなぁ。行こう!」と言って車の運転席に乗り込む父。6畳一間の和室と、隅に蚊取り線香がおいてある部屋。その記憶しかない旅行があります。場所も覚えていないし、何をしたのかも覚えていません。弟もまだ生まれていなかった頃だと思います。

携帯電話もインターネットもスマホもない時代。宿泊予約をせずにどこかに向かい、電話ボックスの中においてある分厚い電話帳に掲載されている宿に電話をし、評判も外観も何も知らない宿に向かう旅。なぜそんな旅をすることになったのか、両親に聞いた気もしますが、覚えていません。ただ、電話ボックスに向かった父を車の中で待つ不安な気持ちと、父が戻ってきたときの安堵と、飾り気のない質素な部屋なのになんだかワクワクした高揚感は覚えています。計画せずに旅行することに小さいながらに衝撃を受けたのでしょうけれど、なぜか嫌な記憶ではないです。私は、こういう経験の積み重ねで、「なるようになる」「まずはやってみよう」という性格を持ち合わせることになったのかもしれません。

今日はゴールデンウィークの谷間。お休みを取ってあてのない旅に出ている方もいらっしゃるでしょうね。明日から4連休という方も多いと思います。旅は冒険的要素があった方が面白いかもしれませんが、投資はそういうわけにはいきません。特に大型連休中は流動性が低下し、思わぬ動きになることが多いですが、現に今年も、足元、マーケットが大きく動いています。ポジション管理にはくれぐれもお気をつけください。

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